コーヒーの事と雑多な話

氷雨月のスケッチ

472回目の限定焙煎はエルサルバドル マラカラ農園と「氷雨月のスケッチ」です。

1970年1月の事、私は出張で佐賀に居た。

福岡空港から博多駅に行き、国鉄特急かもめに乗って40分程で佐賀駅に着く。

木造の駅舎を出て少し歩くと小さな煙草屋があったので

店先に座っていたおばあさんに声を掛けた。

「ハイライトを一箱下さい」

するとおばあさんはのんびりした調子で「なーい」というのである。

そんな訳はない。

あの特徴的な和田誠デザインのブルーの箱がずらーと並んでいるのだ。

耳が遠いのかも知れない、

もう一度さっきより大きな声で「ハイライト下さい!」と言ってみる。

またしてもおばあさんは「なーい」と言うのである。

これは私に対しての嫌がらせに違いない。

東京から来た、垢抜けたスーツを着こなしたイケテル私に嫉妬しているのかも知れない。

「ハイライト!」とさらに大きな声で叫ぶと、

おばあさんはのんびりした動作でハイライトを私に渡すと

「なーい」と言って「80円」と言うのであった。

なんなんだ、あの「なーい」は。

今回はエルサルバドル マラカラ農園と「氷雨月のスケッチ」です。

 

季節は大寒、おーさむこさむの季節です

「きっぱりと冬」で好評だったマラカラを使って大寒の季節に

ふさわしいブレンドを作りました。

今回はサルバドルを深煎りのローストにして、

豊かなコクとチョコのようなフレーバーを楽しみましょう。

苦味と甘味の絶妙なハーモニーと口に含んだ時の香りをぜひ味わって欲しいのです。

前回は秋、季節は変わって今は冬、風味も違って来ます。お楽しみあれ。