400回目の限定焙煎はパプアニューギニア シグリとダンディーパパブレンドです。
男は新幹線のシート身を沈めると目を閉じた。
単身赴任生活は12年を越えた。
それもあと数ヶ月で終わる。
男は今年で定年だった。
博多から鹿児島まで1時間30分、
久し振りに愛する妻子の元に帰れる。
人の気配で目を開けると超が付くようなミニスカートの女性が隣に座った。
すらりと伸びた足が目に入ってドギマギしてしまう。
「選りに選ってどうしてここなんだ」回りを見渡せばほぼ満席だ。
仕方なく平静を装って本を開けば視界にスラリとしたアシガールの足が目に入る。
男は視線を前方に固定した。
気分は直立不動だ。
熊本を過ぎトンネルに入る。
ふと目を窓にやると隣の女性がガラスに写り動揺してしまう。
「勘弁してくれよ〜」
何だか自分の59年の生き様を試されているような気がする。
1時間30分隣に座られるのは暴力に等しい、街ですれ違うのとは訳が違う。
男は仕方なく目を閉じると般若心経を唱える。
「色即是空、空即是色」を繰り返す。
この言葉しか知らないから仕方ないのだが、
まるでユーミンの「リフレインが叫んでいる」だ。
鹿児島のホームに降り立った男の顔は、
一つ徳を積んだ修行僧の顔つきに変化していた。
今回は文もタイトルも長いので手短に紹介します。
ほのかな苦味のブレンドです。綺麗な苦味と高い香りを楽しんで下さい。
黒糖やチョコのような風味と甘味も感じます。
近年、野性味が薄れ個性が弱まりましたが、それでもパプアです、
雨の季節にはぴったりの小気味よい苦味が嬉しいコーヒーです。
くわしくはこちら