コーヒーの事と雑多な話

とりあえずここで一休み

七話「ヘラクレス」

「これから俺たちは愛される虫になるんだ」
俺はカーナに言った。
「いいか、良く聞け。君は体は小さいが形からしてカブトだ。
ヘラクレスとまでは言わないが、君はカブト虫だ。そして僕はオオクワガタだ」

「へッ」と声にならない声を上げカーナは白目を剥いた。
「ボクがカブトムシ・・・あのピカピカのカブトムシ、皆の憧れカブトムシ」

「そうだ、今日から君は立派なカブトムシだ。後はツノさえあればいいんだ。
緑色のカブトなんて、珍しいから引っ張りだこだぜ、キミィ」


「ムフ そ、そうかなあ、アイドルになれるかなあ」
カーナは青空を見上げながら、こぶしを握りしめるのだった。