ふと、隣にいる女を見ると、腕に何かを付けている。
良く見るとそれはガムテープのようだった。
そのガムテープを付けたまま接客までしているのである。
「なにそれ、恥ずかしくないの」
と聞くと、
「効果あるよ、やってみたら」
なんの後ろめたさも無いようである。
庭に出て花を切って来るのだが、その時に蚊が襲って来て
何カ所も刺されて痒くてたまらない。
ムヒを塗っても余り効果がない。
思いあまって発作的に側にあったガムテープを貼ってみたら
余り痒くならなかった。
其れ以来ガムテープを貼ってるのだというのである。
良く見ると足にも貼ってるし、首筋にも貼っている。
「恥ずかしくないのか」
と聞くが、やはり
「別にー」
という返事だった。
「あなたもやってみたら」
というので先日、蚊に刺されたのでやってみることにした。
結果は「うーむ」だった。
蚊に刺された時、爪で十字を書くのと似たようなものかなー
という印象だった。
数十分後、ガムテープを剥がそうとしたら、痛くてたまらない。
ガムテープはブラジリアンワックスになっていたのである