化け猫と言えば鍋島藩ですが、
新しい化け猫の話です。
かなりノンフィクションの話です
脚色はとってもオーバーですが。
1人の猫好きの男性がいました。
彼は一匹の猫に餌を上げていました。
その内この猫は家猫となり平穏に暮らしていました。
暫くすると、猫好きの彼の元には貰った猫や産まれた猫で
数匹に増えました。
それでも彼は幸せでした。ニャンニャンとすり寄ってくる猫を見ると
仕事の疲れも吹き飛びました。
ふと気が付けば猫の数は十匹を超える数になっていました。
名前も桜、梅、桃、松、竹、杉、それから先の木の名前は知らなかったので
次はヒマワリ、コスモスそしてチューリップ。
それ以上の花の名前も知らなかったので
後は数字の一や二、三になるほど増えてしまったのです。
まあ、名前の事等はどうでもいいのですが。
ここで困ったのは餌代です。キャットフードは高い、隣のドッグフードのコーナーに
行くとまだ犬の餌の方が安い。
「これだ」彼はこの日から餌をドッグフードへと替えたのでした。
猫は今までと変わりなくおいしそうに食べています。
餌代も安くなってバンバンザイでした。
それからひと月経った或る日の事でした。
餌をやろうとするとギャオーン、ギャオーンと泣き叫び、
ある猫は噛みつき、ある猫は引っ掻き、ある猫は飛びかかってくるのです。
ワンワンと吠えないまでも静かだった猫達が凶暴化したのです。
彼はこの時の状況を「虎かライオンみたいだった。怖かったよ」と震えながら
話すのでした。
それからは餌をキャットフードに戻したそうです。
夏の夜の化け猫騒動でした。